NW-A867 Review No.2『音質編』:SaLP
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NW-A867 Review No.2『音質編』 [Sony製品:Walkman]

 昨日書いた通り、本日はWalkman A Series NW-A867/VIの音質レビューです。それでは、いってみましょうか。

 

 まずはいつも通り注意書きを。

 

 


 音質レビューは私の主観100%で行っています。また、絶対的な特徴よりも他機種と比べた相対的な違いを主に書いていきます。耳の形や聞こえ方は人それぞれなので、このレビューを鵜呑みにして購入された方、違うじゃないかと文句は言わないでください。もちろん根拠のない文句ではなく、批判はどしどしコメントしていただいて構いません。

 各プレーヤーのイコライザ、アクティブノイズキャンセリング(デジタルまたはアナログノイズキャンセリング)、クロストークノイズキャンセリング(クリアステレオ)、バーチャルサラウンド(VPT)などの人工的に手を加える類のものやヘッドホンの延長コードは、明示しない限り使用しておりません。

 それと、私が音質レビューをするときは必要に応じて、音の高さを「超低音」、「低音」、「中音」(中域)、「高音」、「超高音」の5つに分け、「超低音」と「低音」をまとめて「低域」、「高音」と「超高音」を「高域」、音全体を「音域」や「帯域」と表現します。


 

 今回のNW-A867の比較対象は、先々代モデルに当たるNW-A847のアークティックバイオレットのものを使用します。先日も書いた通り、Walkman X Series(NW-X1060)は被災で失ったため、残念ながら確認しながらの比較ができませんのでご了承ください。

 また、ヘッドホンは、明示しない限りMDR-EX1000を使用します。

 

 

 さて、今回のNW-A860シリーズですが、今回のアンプは従来のS-Masterに代わり、S-Master MX(Stream-Master for Mobile eXperience)というフルデジタルアンプになっています。

 S-Master MXの変更点は公式のこのページに書かれていますが、処理プロセスの単純化したこと、ジッター除去工程を増幅段の直前に配置したこと、そして据え置き用のS-Master PROにも利用されているパルスハイトボリュームを採用したこと、および最終増幅段と電源部の強化をしたことです。

 

 処理工程の単純化はホワイトノイズの低減に、ジッターについては増幅の直前に置くことで、ジッター除去回路~増幅段まででのジッター発生を極力抑制、パルスハイトボリュームでは小音量時の再現性向上、最終増幅段と電源の強化で全体的な解像度の向上と、ピーク出力での応答性の向上というところなんでしょうかね。

 

 合っているか分からない(爆)講釈はここまでにして、実際の音について書いていきましょうか。

 

 

 まず、ヘッドホンにプラグを差した瞬間に分かるのが、定音量のホワイトノイズの明らかな減少です。今までのS-Master搭載Walkmanでは、X Series(X1060)、A Series(A847)問わず、結構な量のホワイトノイズがあったのですが、それが相当低減されています。

 

 皆無と言っていいMZ-RH1ほどではありませんが、それでもほとんどのヘッドホンでストレスが溜まるレベルではないということは断言できます。

 私が持っているヘッドホンで最も感度が高いものはMDR-EX700SLで、こいつはあらゆるヘッドホンの中でも屈指の感度の高さを誇ると思いますが、そのMDR-EX700SLでさえ、聞こえるものの気にならない、クラシックにも堪えられるくらいです。

 

 

 

 肝心の音に移りましょう。まずはっきり書きますが、初めて聴いたときは「あれっ」と思いました。あまり変わっていないような・・・と。S-Master MXとはいえS-Masterですから、音の傾向は大きく変わりません。ちょっと期待しすぎたかと思い、しばらく聴いていったんですが、A867の音に慣れるにしたがって明らかに違う音が出ることも分かってきました。

 

 具体的にどう変わっているかというと、まず低域と中域・・・とくに低域の量が増えていることです。A847のS-Masterでは貧弱といっていいような印象だったのですが、これが改善されて肉厚になっています。

 S-Master自体、A847のような(貧弱な)音が本来の音で、これはS-Masterの特徴なのかなとずっと思ってたのですが、いくぶん違う印象になりました。

 

 

 変わっているのは低域だけでなく、高域もです。低域ほどではないものの、若干解像度が上がっています。A847の方は聴いていると(解像度が低い)シャリシャリ感がありますが、これが減っています。

 

 

 

 音質に関して目立った点はこれくらいでしょうか。もともとS-Master自体がかなりレベルの高い音を出していたので、S-Master MXになったところで大きな差があるわけではありません。ただし、S-Masterのホワイトノイズや低域の量感の不満さを持っていた方は、A867でまずそれが解消されると思います。

 

 

 私はDAPでの音質レビューをする際は必ずブラインドチェック(どの機器で聴いているか分からない聴き比べ)をするのですが、(ホワイトノイズでの違いが分かりにくい)音楽再生時でA847とA867を聴き比べた結果、20回チェックで一度も間違うことなく選べました。

 と、こんな感じで聴き比べて違いが分かる程度の違いはあることは間違いないので、音質を最重視する方はA840などから乗り換えるのはアリだと思・・・うどころか、是非おすすめしたいくらいですね(笑)

 

 

 いつもより短い気もしますが、NW-A867の音質レビューはこの辺でおしまいです。X1060A847の記事も併せてお読みいただくと、音の傾向がより分かると思うので、ご参考ください。

 

 

 

-NW-A867のレビュー一覧-

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Avant

ホワイトノイズが少ないというのはとても良い改善点ですね。とはいえ、車内で使うのであまり聞こえませんが(笑)

チープというのはちょっと残念ですがそれはそれで気兼ねなく使えるDAPということでしょうか(^^;)

S-Master MXの音質はS-Masterより良くなってるということで安心材料になりました。
by Avant (2011-10-08 22:42) 

SKYLINE

お金ないんですけど、これ読んでAかZ書いたくなっちゃいましたf^_^;)
低音増えてるのはいいですね

正月のお年玉で買うことにしますかね・・・

受験生だとか言ってる場合じゃない(笑)

by SKYLINE (2011-10-12 22:21) 

のえる

はじめまして。
Fが出たので無くなる前に、と先日A867を購入したので、楽しく読ませて頂きました。
ホワイトノイズについては相変わらず批判され続けているようなのですが、音楽再生時以外でも聞こえる「サー」という音、あれをホワイトノイズだと考えればよいのでしょうか(音にうるさそうな人が「イヤホンを挿したまま電源を入れればわかる」と書いていたので)。
だとすると、私の手持ちの安物イヤホン・ヘッドホン(他も関係あるのか、もしくはないのかもしれませんが参考までに、感度110db/インピーダンス32Ω、感度106dB/インピーダンス24Ωのものなど)だと、それが全く聴こえなくなりました(念の為、全音量で聴いてもみましたが)。
イザとなったら、NC機能が無効になったり、最大音量と音質にやや変化を生じたりはしますが、手持の音量調節付きの延長コードをボリューム0にして使えば消せるしで(据え置き型プレイヤーの大きな「ザー」も消えるので、S-Master機のも消せるハズッ!)、今のところ非常に満足して使用しております。
素人なのでよくわからないことも多いのですが、こちらの記事を読んで「やっぱりFを買わなくて正解だった~!」と思えたのもあって、つい書かせて頂きました。
他の記事も面白く、感謝しております。
by のえる (2012-10-20 07:53) 

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