『初音ミク』騒動の和解から見えるもの:SaLP
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『初音ミク』騒動の和解から見えるもの [音楽]

今回は先日の、著作権に対する問題点を、違う角度から見てみた記事です。

今度はITmediaこの記事の内容についてです。

 

『初音ミク』クリプトン・フューチャー・メディア(以下クリプトン)が販売しているPC用DTM(デスクトップミュージック)ソフトウェアですが、今回はソフトの紹介がメインではないので、ここでは触れないでおきます(製品自体非常に凝っていますし、私も説明をこだわりすぎて記事書くのに何時間もかかりそうですから(^^;;;)。

 

 

それはそうと本題です。この和解販売元であるクリプトンが、個人が『初音ミク』を用いて作った楽曲を(着うたとして配信するために)JASRAC登録をドワンゴ・ミュージックパブリッシング(以下ドワンゴ)に依頼をした際、手違いでドワンゴ側が誤ったアーティスト名でJASRAC登録してしまったという問題です。

 

 

その問題について両者和解したことについてですが、ただ和解があった、という事実だけなら(時間がないため)記事にはしません。

今回私がこの記事を書こうと思ったのは前述の著作権法改正について、この出来事は関連するからです。

 

何が関連するか、それは上記の和解の内容の、楽曲の「権利」に関する項目です。

 

 

(1)初音ミクの商標権とキャラクターの著作権はクリプトンが保有すること
(2)初音ミクで制作した楽曲データに関する権利(原盤権)はデータ制作者が保有し、権利の代行会社もデータ制作者の意思で決められること
(3)初音ミク楽曲データに使われている楽曲の権利(出版権)は作詞・作曲者が持ち、作詞・作曲者も権利行使代行会社を選べること
(4)アーティスト名「初音ミク」を利用して着うた配信する場合、クリプトンと楽曲データ制作者間での許諾が別途必要なこと
(5)「初音ミク作品」が有名になった場合で、DMPが著作者に楽曲の管理を申し入れる際は、JASRACへの委託のほか、イーライセンスなど他著作権管理団体への信託、管理団体に一切信託しない
――といった複数の選択肢について著作者に説明し、著作者の意思を確認してどれを選ぶか決めること――
また「現在の音楽著作権の処理はシステムやルールは、ネット時代に即応できていない点がある」という認識で一致。時代に合った新しいシステムやルールの構築について、両社で協力して検討していく
(ITmediaからの引用)

 

 

上の5項目についてですが、最大限作曲者が権利を持つように配慮しています。

 

そして重要なのは「現在の音楽著作権の処理はシステムやルールは、ネット時代に即応できていない点がある」という部分です。

現状の著作権法の(音楽についての)著作権者といえば、プロのアーティスト、JASRACなどの不正利用監視団体、楽曲を販売するレーベル会社などといった"前提"があります。

しかし今ではこのように「素人を含んだ個人が作曲し、さらに公開出来る」時代です。ゆえにその"前提"自体が崩れ去ってしまっているのです。

 

その根底から揺らいでしまった法律にさらに上乗せしていく・・・これに何の意味があるのでしょう。

良くなるのは権利者側、それも個人で楽曲を作るような「力のない権利者」の為に改正しようとしているわけではなく、明らかに「力を持った権利者」にスポットライトが当たっている改正です。

 

 

ダウンロードを違法化することによる正規ユーザーが被る不利益、そして「力のある権利者」ばかり視点を置いた改正。

 

 

デジタルという技術が出来、インターネットという双方向通信の可能な技術が広く普及した今。
古くなった"前提"に基づいて主張する「力を持った権利者」の言い分はどうしても不自然な主張であるようにしか見えません。

"レコード"や"カセットテープ"という楽曲を保存し配布できるメディアが登場したとき、楽器を演奏する側は「我々の職を無くす気か」と主張したでしょうか。
"インターネット"が普及した際、テレビや新聞などの昔からあったマスメディアは「我々の情報を伝えるという仕事を奪うな」などと主張したでしょうか。
"ベータMAX"が登場した際、ハリウッド側が「コンテンツを保存できるのは我々の著作物の違法複製だ」と主張しましたが、その主張が通ったでしょうか(1984年にSonyが勝訴しています)。

 

確かにそういった主張はあり得ないことではないかも知れません。しかし、「どちらの方が、より社会全体でメリットが出るか」という天秤に掛けると、これらの例のとおり結果は全て合理的な方に働きます。

むしろ"レコード"の例を取ってみると、演奏者は"ナマのクオリティ"を武器に、ピンチをチャンスに変えた側面もあると思います。

 

 

時代が大きく変わるときには、今までの形態というものを大きく変えねばならない。
変化というのは大きな不安がつきまとうものですが、"前提"が崩れている以上それは仕方がないことではないでしょうか。
法というものが、みながしあわせになるように定められるものであるのならば、不利益を生み出さずに解決する方法に行き着くはずです。
既存の上積みだけではどうにもならないことは必ずあります。その場しのぎをしたとしても、それはより大きなうねりとなって帰ってきますから。

まだうねりがちいさいうちに、一度大きく見直す努力をしてみるのはどうでしょう?

 

 

 

 

と、今回の記事は前回よりもさらに無茶苦茶な構成になったような気がしなくもないですが、ユーザーと権利者双方の権利が両立するような大幅改正をすることが必要と言うことですね。

それはもともと対立するものではけして無いはずですから。

 

 

さて、私が一度書き終わった著作権のお話をグダグダ続けた理由ですが、もちろん権利者ばかりフォーカスされたダウンロード違法化案についてキレているからというところはあります。

 

 

それはそうですが、本当はただ『初音ミク』の話題を出したかっただけです(爆)

PCで、個人が、これほどまでにリアルな楽曲を創造出来るという衝撃を受けました。全くクリプトンとヤマハの実力には感心するばかりです。

それに以前から甘ったる~いのが欲しかったので、そういう点で『初音ミク』の声は私が欲しがっていたものでした。

そのせいで『初音ミク』に収録されている声のモデルである声優の藤田咲さんのCDまで探してしまうこののめり込み(^^;

そして探すならまだしも、何処にもないのでオンラインで注文してしまうこの勢い(^^;;

 

 

・・・12月はSendai Motor Showに行ったり、今回のCDを買ったり、もう散財しすぎで困り果てているんですけど(ーー;;

もう3月に予定していた『青帯』購入計画が台無しです。

 

でも、逆に考えれば最近はかつての引きこもり精神が無くなってきた(人見知りで「狭く深く」の精神が無くなった)と言うことで私自身いいとは思っていますけどね。「狭く深く」から「広く深く」を求めるようになってしまいましたが、そのおかげで人生楽しくて仕方がないですし。

 

 

そんなわけで『初音ミク』、そして数日前、そのDTMソフト第二弾の『鏡音リン・レン』も発売されたとのことなのでソフトを買うのも、動画投稿サイトで有志が作った曲を聴いてみるのもおすすめですよd( ̄  ̄;)☆\(--)モハヤカンゼンニセンデンダロ


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かつぽん

コレが著作権のあるべき姿だよね。
ただ消費者にたかるための道具であっちゃならない。
by かつぽん (2007-12-31 17:08) 

Riever

>かつぽんさん、nice!、コメントありがとうございます
現状権利者のためだけと言っていいほどの内容の法律ですからね。
時代はデジタルになり"マスター"もデジタルとなった今、当然複製が当たり前になっていますが、それなら「どうして複製するのか」を考えて、それを逆手に取るようなビジネス(今までとは比較にならない、映画などの豊富なコンテンツの放送)などを考えれば、何処にでもコンテンツがある状態になり消費者は複製する必要が無くなるはずですから、そういった逆転の発想というモノが必要でしょう。
現状権利者側にとっては自由にコピープロテクトを掛けられたり、(CDは)再販制度が維持されていたりとかなり配慮されているので、それを置いておいてどうのこうの言うのはわがままとしか思えませんね。
違法着うた撲滅に本気になるなら、さらなる音楽の発展のためにもCDはオープンプライスにして欲しいところです。

そして今回の『初音ミク』。このソフトの驚異的な売り上げは、インターネットともに小さな権利者が力を持ち始めた証拠であると思います。
新しい時代の芽は、小さくても確実に広がっていることは疑いようがありませんから、そういった方々も精一杯保護するような法律が必要ですね。

特に『初音ミク』を用いて作られた楽曲の中には下手なアーティストが作った曲よりも遙かにイイモノがわんさかあったと思いますし・・・
まあ・・・・・・そういった理論は抜きにして、のめり込みましたとハッキリ申し上げましょう(爆)
by Riever (2007-12-31 22:22) 

Akihito(・。・)

誰もが情報の発信源となれる現代社会に、権利者の
私利私欲っぷりときたら………
日本はハードを作ることに賭けては世界トップクラスをつっぱしっているのに、それを活用できるような法の整備に関してはボロクソですね………
そこが他のアジア諸国にITで負けている原因ではないでしょうか。
今の現状では、何だか権利者が「俺は正義だ!! 俺に逆らうものは………」といっているようにしか思えません。

初音ミクと聞いて、話はぜんぜん変わりますが、現在高校受験勉強真っ只中の俺は
「みっくみっくにしてやんよ」をこんな替え歌にして歌ってます。

我慢の限界を超えて 参考書投げつけたー
本棚がくーずれて俺はー下敷き
あのねまーだねー数学解けーないー
どおしたの関数のページずーっとみつめーてるー
俺はもうぐっだぐっだにさーれてるよー
べーんきょうもうね頑張ーれない
ぐっだぐっだにさーれてるよー
だから ぜんぜん覚悟がーでーきてないーー


………お粗末さまでした
by Akihito(・。・) (2008-01-04 00:50) 

Riever

>Akihito(・。・)さん、コメントありがとうございます
お久しぶりです。
日本は「ものづくり」の技術はあるのに、それとは別に「古いモノにすがりたがる」、逆に言えば「新しいモノを受け入れない」風潮が元来あるようですからね。私はそういった、ある種の偏見を無くしていくことが大事だと思っています。

偏見というものが、何のメリットも作らないこと。
それは世の中全てにおいて言えることですが、そんな当たり前のことを私は最近肌で感じました。
分かっているようでほとんどの方が分かっていないこの事実を、少しでも知る方が増えていくと良いのになと思います。

Akihito(・。・)さん、今中学生だったんですか?
akoustam先生の記事などでもしっかりしたコメントを残されていますし、それだけに非常に驚きです。

さて、ぐっだぐっだにされたなら、ミクの声でも聴いて落ち着いてくださいな(ぇ
by Riever (2008-01-05 22:04) 

Riever

>spinさん、nice!ありがとうございます
by Riever (2008-01-05 23:03) 

Riever

>たっくんさん、nice!ありがとうございます
by Riever (2008-03-03 17:49) 

Riever

>ふろすさん、nice!ありがとうございます
by Riever (2008-03-31 00:18) 

Riever

>蒼空さん、はじめまして。初nice!ありがとうございます
by Riever (2010-12-12 17:58) 

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