『MZ-RH1』用リモコン 『RM-MC40ELK』 音質改善記その1~分解編~(Ver.1.1):SaLP
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『MZ-RH1』用リモコン 『RM-MC40ELK』 音質改善記その1~分解編~(Ver.1.1) [Sony製品:Walkman]

 昨日はBELDENの87761のケーブルを勢いで買ってきてしまった私でしたが、それを何に使うかと言えば、タイトルの通りアレに使うつもりだったんです。

 そのアレとは、そうこいつ。

MC40ELK_000.JPG

 私が現在MZ-RH1用に使っている正式名称『漢字表示対応3行ジョグダイアルリモコン』こと『RM-MC40ELK』です。

 

 

 周知の通り、このリモコンを通してヘッドホンを繋ぐと音が大きく劣化しますが、私はこの劣化の原因を「リモコンの線材が粗銅(言い過ぎ)だから」音が悪くなったのではないかと考えて、BELDEN 87761という3芯(中のケーブルが3つに区切られている)ケーブルを買ってきたわけです。

 

 ここまでならリモコンに不満を持った方なら誰もが考えそうなことなのですが、問題はここからです。ケーブルを買ってきたにしても、このリモコンはSony独自規格。独自規格と言うことは一般的な「ステレオミニ」のコードとはプラグも中身も違うと言うことですから、その辺りをまず考えなくてはなりません。

 

 まず普通のステレオミニの場合、プラグはこうなっています。

Stereo_Mini.JPG
 上はMDR-EX700SLに付属していた延長ケーブルですが、画像内に書いてあるとおりステレオミニプラグは2本の絶縁の帯によって、流せる信号数を3種類に増やしています。簡単に説明すると、先端はヘッドホンの左側の音声信号を伝達するL、中程はヘッドホンの右側の音声信号を伝達するR、そして付け根の部分はGNDといって、LとRから流れてきた信号をプレーヤー(ここではMZ-RH1)側に流すためのものです。これを3極と言いますが、そのためこのケーブルの中は3つ芯が入っている構造になっているはずです。

 ここで「ステレオミニはオーディオ信号なので交流なんじゃないの?そうしたら電気が行ったり来たりするので一概にそうは言えないのでは?」と思う方もいらっしゃるかと思いますが、これはこういうものだと覚えてください。説明が面倒+早く終わらせないと宿題が出来なくて徹夜になる(笑)+要点はここではないので省きます。

 

 

 とりあえず「普通のステレオミニプラグ」について説明しましたが、問題は糞リモコンのRM-MC40ELKです。

MC40ELK_plug.JPG
 RM-MC40ELKのプラグ部分はこうなっています。「普通のステレオミニプラグ」の部分に加えて、右側に4つ極があるような構造です。これをすべてあわせると7極構造となり、普通に考えればRM-MC40ELKのケーブル内は7本の芯があると推測できます。

 

 

 ただ、これはあくまで推測です。中が何芯なのかを知るためにはRM-MC40ELKのケーブルをぶった切れば済む話ですが、私はこのリモコンを一つしか持っていない上、はんだもはんだごても持っていないので今は切ることが出来ません。このリモコン、かなり高い(SonyStyleで8,400円、amazonで6,500円くらいな)ので、むやみやたらと壊せるような代物ではないのでここは「リモコンを分解して内部のケーブルの種類を見る」ことで解決したいと思います。

 

 

 MC40ELK_001.JPG
 ぱかっとな。上下の接着はねじ一本+ツメを使用してのはめ殺し構造であるRM-MC40ELKですが、根気よく取り組めば開けることが出来ます。ただ、私はツメを何本か折って壊してしまいました(^^;;;

 

 

 続いて裏返してみましょう。

MC40ELK_002.JPG
 こんな感じです。一つ注意ですが、リモコンとケーブルの付け根の部分は完全に分離することが出来ない構造になっているので、無理に引きちぎろうとするとケーブルが根こそぎ断線します。

 

MC40ELK_003.JPG
 これが問題のケーブルです。

 

MC40ELK_014.JPG
 もっと見やすいように撮って見ました。左から順に、「緑、黒、黒、白、黄色、剥き出しの銅、青色、灰色、赤色」となっています。

 なんと9種類。私の予測はあっけなく崩れ去ったのかと思いましたが、よく見ると「剥き出しの銅」と「青色」、2種類の黒はそれぞれひとつずつ同じ基盤の部分に装着されているように見えるので、そう考えると7種類。私の予測は多分正しいだろうことが分かります。

 

 

 ここで問題ですが、音質を改善するのに何も7本すべてのケーブルを替える必要はありません。ケーブルを替える必要があるのは音声信号が流れる先ほどのL、R、GNDだけで良いのです。そのためこの7つの内の3つを替えれば良いという話になるわけですが・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 どれを選べば良いんだ!

 

 これを見たとき、私はよくアニメとかである爆弾処理を思い出しましたよ。赤を切ったらいいのか、青を切ったらいいのか・・・どちらかを切れば爆弾が止まって、間違った方を切ったら爆発するというお決まりのアレです(笑)

 

 

 これではどれに当たりをつければいいのかが分からないぞ、ということで、基板全体をよく見てみます。

 

 RM-MC40ELKは3層構造になっており、上から順に「液晶」、「液晶を制御する基板(プラスチック部)」、「リモコンのボタンとオーディオ信号の反応を処理する基板」となっています。

 まずは基板部を見たいので、基板部分を分離してみます。

MC40ELK_004.JPG
 上のジョグダイアルが引っかかって取れないような状況になりますが、ジョグダイアルは横からすっと引っ張ってやると基板から引き離すことが出来るので、そうして離します。

 

 MC40ELK_005.JPG
 そうすると離れるのですが、ここで上から順に、「リモコンのボタンとオーディオ信号の反応を処理する基板」、「液晶を制御する基板(プラスチック部)」、「液晶」です。

 一番上の「リモコンのボタンとオーディオ信号の反応を処理する基板」ですが、見た感じ光っていますね。これは黒いテープの上に銅箔が貼ってある状態のようです。

 この銅箔、特に電極につながっている様子も無しで、何のためにあるのかと少し考えましたが、おそらく液晶の方から出てくる電磁波を遮る役目をしているものと思われます。

 

MC40ELK_006.JPG
 もう少し見やすいように、上からのアングルで撮ってみました。「VDM-・・・」とシールが貼ってあるのは液晶を制御するデジタルICと思われますが、私は詳しくないので確証はありません。ただ、液晶を司っているのは間違いなさそうです。

 

 

MC40ELK_007.JPG
 裏返してみましたが、左の黒い砲台はヘッドホンを繋ぐためのステレオミニジャック、上のちょっと丸い銀色の部分は、「再生/一時停止」、「曲送り」、「曲戻し」の操作を感応するデバイスで、下の銅っぽい色の丸い金属のまるぽちはそれぞれリモコンの「DISPLAY」、「P-MODE」、「SOUND」ボタンを押されたことを圧力で感応するデバイスです。

 

 

 一通り中を見てきたところで、本題に移りましょう。

 

 

MC40ELK_008.JPG
 この画像を見れば分かると思いますが、よく見ると赤色と灰色の線が液晶部に延びていっています。

 ここで赤色と灰色は、先ほどもケーブルの先端で使われており、そう考えるとこのリモコンでは「赤色と灰色は液晶に関する伝達ケーブル」だと推測できます。

 

 

 これでオーディオ信号を司るケーブルが、3/7の確率から3/5の確率で選べるようになりましたが、まだまだこれではカンでやらないといけないことになり、調べが足りません。

 

 この5種類の線がそれぞれ何かが分からなければ意味がないので、この状態で一度強引にプリント基板を辿って調べてみようかと思いましたが、プリント基板についている回路は細かすぎること、部品に邪魔され見えない部分が多々あること、基板の裏側は銅箔と黒いテープがくっついていて何も見えないので目視作戦は失敗しました。

 

 

 しかたなく「ステレオミニジャック」をもう一度見てみることにします。

MC40ELK_009.JPG
 正面です。砲台の上下に、それぞれ上は2つ、下は1つ、銅状の光が反射して見えます。

 

MC40ELK_010.JPG
 裏返します。ステレオミニジャックは、4カ所ではんだを用いて固定されているように見えますが・・・

 

 

 ここで正面に戻し、ステレオミニプラグをジャックに差したらどの辺りにプラグが位置するのかを見てみます。

MC40ELK_011.JPG
 本邦初公開!私の太い指(爆)

・・・は置いておいて、差し込んだ状態を見やすいようにシミュレートしてみると、プラグの「絶縁の帯」の部分がピッタリ銅状の部分にマッチしているのが分かります。

 

 裏でも同様にやってみましょう。

MC40ELK_012.JPG
 こちらもピッタリ、はんだで固定されている部分が絶縁の帯を境に分かれています。

 

 となると先端部のはんだはLを、中程はRを、付け根の2箇所のはんだはGNDにそれぞれ対応しているものと推測できますね。

 

 

 ここまで分かってもケーブルが分からなくては意味がありません。とりあえず目視作戦を再開しようと、今度は「基板の裏側にくっついている銅箔と黒いテープ」を引きはがして見たものの、予想外に裏側は回路が少なく特に収穫はありませんでした。

 

 

 ここで、工具のない私はやれるすべてを尽くしたわけですが、暇なので分解したまま繋いで遊んでみました。

MC40ELK_015.JPG
 ノンノン、壊れてナ~イ(^^;;

 

 

 上の表示されている状態で液晶をめくってみると、下では青く発光するバックライトだったようです。

MC40ELK_016.JPG

 確かに液晶は自発光しないデバイス。分かっていても実物で見ると驚きましたよ。この青が綺麗なんですよねぇ・・・。

 

 

 

 青に浸っていてもどうしようもないですし、何も進まないのでここで終了です。

 

 RM-MC40ELKの回路を見て一つ思ったのですが、確かにケーブルは細くて頼りない感じで、劣化している要因であるかもしれません。ただ、銅箔の存在が妙に引っかかります。このリモコン、作るときに予想外にノイズが多かったから銅箔をつけてカモフラージュしようとしたんじゃないかというような気がしてなりません。

 そうなるとケーブルを変えるだけでは済まないぞ!という話になるのですが、続きはまた。

 

 工具・・・はんだとはんだごてさえあれば、はじめのケーブルを一本一本切断して曲を聴いていくことでどれがLか、Rか、GNDかを判断することが出来ます。

 ただまだそれらの道具を持っていないので、今回はここで打ち止めというわけです。

 

 

 この『音質改善記』は、長いシリーズにはなると思いますが、まあ気長につきあっていただけると嬉しいかなぁと思います。

 

 

追記:一部誤字を修正しました(Ver.1.1)


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コメント 14

セラミック

自分はDAC1とXR55を89463で繋いでますね。どういう傾向かはよく分かりませんが(--〆
自作やら改造やらよく分からない人間ですが、色々と頑張ってください(*^。^*
by セラミック (2008-05-18 20:24) 

Riever

>セラミックさん、nice!、コメントありがとうございます
私も自作派ではないですし改造派でもないのですが、こいつに限って言えばやらないと非常に不便なのでやらざるを得ませんでした。
こいつは成功させないと、MZ-RH1が便利に使えないですから、頑張りますよ。
by Riever (2008-05-18 20:27) 

Riever

>ぞうさん、nice!ありがとうございます
by Riever (2008-05-18 21:48) 

Riever

>ピカテントロプスさん、nice!ありがとうございます
by Riever (2008-05-19 11:22) 

かつぽん

壊したって・・・
ウチに全然使ってないのがあるけど、いる?

あ、あとテスター買った方が良いかもですね。
by かつぽん (2008-05-19 12:17) 

Virgo

確かにテスターは必須でしょうねぇ。

いやぁ、リモコンを自主的に割る人、多いなぁ(爆)
by Virgo (2008-05-19 18:04) 

Riever

>かつぽんさん、nice!、コメントありがとうございます
くれるんですか!
ほすぃぃぃぃです!!!
このとおりm(_ _)m
神さま、仏さま、物欲神さま(爆)
by Riever (2008-05-19 18:22) 

Riever

>Virgoさん、nice!、コメントありがとうございます
テスターは後々必要になるので買おうと考えていたところです。とりあえず今月の食費が仕送りとして振り込まれたと言うことなので・・・(^^;;;
・・・食い物に使わないとダメですって?(^^;;;

リモコン、自主的に割る人多いんですか?
私はあまりいないかと思ってとりあえずやってみたのですが。
by Riever (2008-05-19 18:25) 

spin@片桐凛

なら私がやってみますよ(ぇ
でもまずはケーブルを・・・。

by spin@片桐凛 (2008-05-21 02:24) 

Riever

>spin@片桐凛さん、nice!、コメントありがとうございます
そういえばspin@片桐凛さんはNH1使いですよね。NH1はリモコン無くても不便でないんですか?これはやって損はないと思います。

内部のケーブルの対応は以降調べて記事にします。これが済めばMZ-RH1を更に使い倒せるってもんですから。
by Riever (2008-05-21 19:24) 

spin@片桐凛

>NH1はリモコン無くても不便でないんですか?
かなり不便です。
というわけで、昨晩にプラグ側をばらして(切って?)みました。

4極部分は、
[黄|赤|灰|青・銅][ミニプラグ]
という感じで、ミニプラグの方はLが白、Rが緑、GNDが黒×2でした。
それぞれGND部に2本使っているので、7種類というのはあってますね。

私はプラグ側を無理矢理ばらしたので、これからどうするか考えてます・・・。
簡単なのはミニプラグ部に延長ケーブルを半田付けですけど、
それじゃつまらないですし、ケーブルが1本増えますから、
取り回しも楽ではないですし。

んー・・・難しいですーー;
by spin@片桐凛 (2008-05-22 02:51) 

Riever

>spin@片桐凛さん、連続コメントありがとうございます
おお!素晴らしい!コードの対応が分かればもう解決したも同然じゃないですか。
さて、これではんだとはんだごてを買う理由が出来ましたよ。

>簡単なのはミニプラグ部に延長ケーブルを半田付け
プラグ部ははめ殺しというレベルじゃないくっつきようなので、そこは仕方がないとは思います。
ケーブルが一本増えるのが懸念なら、その2本のケーブルごと熱収縮チューブで1本に見せるのが妥当な案だと思います。
それ以外私も思い浮かびませんし(^^;;
by Riever (2008-05-22 17:19) 

Riever

>hidexさん、nice!ありがとうございます
by Riever (2008-05-24 13:52) 

Riever

>s2u2さん、nice!ありがとうございます
by Riever (2008-05-24 23:33) 

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