SonyのQriocityによる音楽配信サービス、音声形式はHE-AAC 48kbps:SaLP
SSブログ

SonyのQriocityによる音楽配信サービス、音声形式はHE-AAC 48kbps [Cloud Computing Service]

 impressを眺めていたらSonyによるクラウドメディア配信サービスQriocityの音楽配信サービス"Music Unlimited powered by Qriocity"について書かれていたのでちょっと読んでみたのですが・・・

 

 読んでみるや驚きましたよ。なんと配信コーデックがHE-AAC、ビットレートが48kbpsなんですもの。

 

 48kbpsでの音楽配信というと、日本でいうiTunes Store(AAC 128kbps/256kbps)、mora(基本的にATRAC3/WMA 128kbps~)にも遥かに劣り、かつて日本で普及したMDでの規格のMDLP4(ATRAC3 66kbps)にすら劣ります。着うたフルと同じ音質のものを今頃になってサービスとして配信する・・・一体何がしたいんですかと。

 

 こういう事を言うと「いや、我々が推進しているQriocityはクラウド配信サービスである」なんて言いそうですから更に言うならば、定額音楽配信サービスのNapster(現在日本ではサービス終了)はストリーミングですら128kbpsです(ファイル配信は192kbps)から、二番煎じの上に品質は低いというお話になります。

 

 

 遥かに昔からあるサービスにすらことごとく及ばない品質のものに対して「高品質なクラウドベースのデジタルエンタテインメントを提供できる」だなんて言っているのはさすがに酷すぎるんじゃないかと思ったのは私だけなんでしょうかね?

 

 最近めっきり記事の更新が滞っている私(汗)がわざわざ書いたのも、Qriocityについては割と期待していたからで、それを見事に悪い意味で裏切ってくれたという点でそこを改善するべきだと思うからこそです。

 

 

 LISMOと同じ音質であるのなら、曲を取り放題の定額制であっても多くの人(ライトユーザー)はよく分からないものに対して(リスクを冒してまで)サービスを変えようとは思わないでしょうし、月500円程度(日本では導入されていないので3.99ポンドで換算したおおよその金額)を支払っていくことにメリットを見いだせなくなったりサービス自体に飽きたとしたら、クラウドというサービス形態上「解約した場合には何一つ資産は残らない」という点からそれなりにクレームがついたりする可能性もあります(サービス形態・契約について熟知して契約するユーザーが全てではありません)。

 

 知識があり利便性も質も享受したいという人は前述のmoraなりiTunes Store(256kbps~配信のPlusを含む)を利用しつづけるでしょうし、音楽に関して質を追求し続けるエンスージアストであればCDを買うなりSACDを買うなりe-onkyo music(96kHz 24bit)などの高音質配信サービスを利用するなりするはずです。

 

 こうしてユーザーについて分類していくと、残ったユーザーは「知識があり利便性も質も享受したい人」および「音楽に関して質を追求し続けるエンスージアスト」の中でも「良さそうな音楽を片っ端から聴いていき、満足した曲を高音質な形式で買う人」の試聴サービスにしかなり得ないのではないかと思います。

 

 もちろんそういう人は100人いて1人もいないでしょうから、サービスとして存続するには無理があるのは容易に想像がつきます。

 

 

 色々理由を並べましたが、仮に日本に導入するとしたらこの品質では間違いなく普及しないと断言できるので、日本に入れるとするのならもう少し色々考えた方がいいんじゃないかなと思っています(考えているからこそ日本で導入するとは言っていないのかもしれませんが)。

 

 私だって好きな曲を非圧縮で、どこででも聴けるのであればそれは諸手を挙げて飛びつきますし、価格次第ではずっと会員であってもいいと思います。現状の日本ではストレージはともかく、ネットワーク帯域なんて非圧縮でもストリーミングできるわけですから、その辺りを是非考えて欲しいところですね。

 

 

 これは蛇足ですし同じ事を何度も書いているかもしれませんが、私だってコードが邪魔にならないBluetoothを使いたいですし、音楽配信サービスを使えれば楽だと思いますし、クラウドで聴けるならそれは便利なんですよ(まあクラウドにするならするでネットワーク遅延という問題も出てきますが)。

 

 でも、この世の中どうしてか質を求めると不便になるようにしか出来ていないようで、非圧縮かつDRMフリーの曲配信は全然無いですし、Bluetooth 3.0 + S-MasterのPHPAは出ないですし(←欲出しすぎ)、DAPも容量が大きくて音質のいいものはさっぱり出てこないですし(まあこれはWalkman X Seriesが出た2年前から一気に解消されつつありますが)・・・どちらかを天秤に掛けたらやっぱり質になるんです。

 

 

 S-Master Walkman + MDR-EX1000であったとしてもまだまだ完全に満足しているわけではないですから、もっともっと、と・・・ねぇ(^^;;

 

 まあ、こればかりは私の環境がおかしかっただけなのでもうどうしようもないのですが(爆)

 

 

 

 こんなところでおしまいですかね。Quriocity、後発でやるからには見合った魅力を備えて出て欲しいものです。


nice!(2)  コメント(6)  トラックバック(0) 
共通テーマ:パソコン・インターネット

nice! 2

コメント 6

元Nap

元ナップスターJapanユーザーとしては、moraですら128kbpsという点に不満です。
すべて192kbpsにしてほしい。
Quriocityは低音質ですか・・・ガッカリ・・・

かといってiTunesには移行できない。今まで個別で購入したwmaがあるから。
それにiTunesも曲によっては128kbpsだし、そもそもiPodは音質が・・・

なんか日本ではもう音楽を楽しむ環境ってなくなっちゃったのかな?
「日本人は低い音質で我慢しとけや!」ってことなのかな???
by 元Nap (2011-01-24 00:25) 

Riever

>元Napさん、はじめまして。初コメントありがとうございます
現状配信サービスは一長一短ですね・・・というよりは「短」の方が大きすぎて見ていられません・・・

「日本人は低い音質で我慢しとけや!」というよりは、日本人自身が知らない人が増えすぎた、という方が大きいのかなと思っています。
いい音は何者にも代えられないんですけどねぇ。
by Riever (2011-01-28 23:59) 

Riever

>tooshibaさん、kanchinさん、nice!ありがとうございます
by Riever (2011-01-29 00:03) 

@

ggrks
HE-AAC 48kbpsはMP3換算で192kbps以上の音質ですよ?
これ以上なんお不満があるというのですか?
by @ (2011-07-27 12:41) 

通行人

HE-AACがどれほど低容量で高音質か知ってますか?上の方も書いてある通り、僕の耳でもmp3の192kbpsとHE-AACの48kbpsは同じに聞こえます。
それくらい画期的なものなのですよ。
クラウドなら容量が小さくて済む方が良いに決まってますよね?
せっかくこんな長文を書くなら、もう少し調べて書いた方が良いですよ?
itunesでもx-アプリでもHE-AACの変換は出来るくらいですから基本事項です。
by 通行人 (2011-08-06 13:48) 

RADIKO は HE-AAC 48Kbps

>>mp3の192kbpsとHE-AACの48kbpsは同じに聞こえます。
きっちりデコードできるってことが前提ですよね
汎用性は MP3 より圧倒的に劣るからなあ

by RADIKO は HE-AAC 48Kbps (2011-09-19 08:21) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。